2026/01/19 10:54

みずのき絵画教室
亀岡に流れる保津川の東側に、1959年に開設した「障害者支援施設みずのき」。開設5年後にあたる196年、みずのきで絵画による余暇活動が始まりました。講師として招かれた画家・西垣籌一(故人)の何十年にもわたる丁寧な関わりによって、絵画教室に参加した人たちが描いた作品は、国内の美術公募展で入選を果たした後、1990年代に日本のアール・ブリュット として紹介され、国内外で高く注目されるようになりました。また1994年には、スイスにある「アール・ブリュット・コレクション」に、小笹逸男や堀田哲明ほか6名の作品が永久収蔵されました。

絵画教室の写真(1980年頃撮影)/提供:みずのき美術館


社会福祉法人 松花苑『みずのき(障害者支援施設)』外観

みずのき美術館
2012年、亀岡で理髪店として使用されていた大正時代の小さな町家を改修し開館した「みずのき美術館」。名前の由来にもなったみずのき絵画教室で生まれた作品約2万点を収蔵作品として、作品の保存と絵画教室の活動の記録、そしてそれらを展覧会として紹介しています。収蔵方針は異なるにせよ、東京国立近代美術館と京都国立近代美術館がともに約13,000点、京都市京セラ美術館が約4,200点とされ、地方に位置する障害者支援施設でこれだけの数を保管してきたことは、偉業といえるのではないでしょうか。また開館以降、美術家、建築家、ミュージシャン、ダンサーなどの様々な芸術家を招いて、市民が参加できるプロジェクト型の企画も多数実施しています。





Photo : 阿野太一 DAICI ANO

みずのき美術館
京都府亀岡市北町18
TEL:0771-20-1888
OPEN: 金・土・日、祝日(展示替え期間は休館)
JR嵯峨野山陰線 亀岡駅下車 南口より徒歩8分


かめおか みずのき ものづくり
2022年に開館10周年を迎えた「みずのき美術館」。活動拠点である亀岡の企業やメーカーと、2023年から取り組む新しい試み「かめおか みずのき ものづくり」がスタートしました。「みずのき美術館」が誇るコレクションから、とくに人気の高い小笹逸男、岡本由加、堀田哲明の作品を起用。画用紙やキャンバスの中から飛び出した自由で個性的なモチーフたちが、バッグやポーチ、キッチンクロスやワッペン付きポストカードほか、美味しい焼き菓子となり、より身近に感じてもらえるアートとして生まれ変わりました。


[参加作家紹介]
小笹逸男 Itsuo OZASA(1924〜2012)
1962年からみずのき寮(現・障害者支援施設みずのき)』で暮らす。絵画教室の開設当初からのメンバー。絵を始めた頃は、画用紙に何枚も同じ絵を描いていたため、講師の西垣はそれを「小笹印刷所」と称した。しかし、大きなキャンバスと油絵の具に出会ってから、作風が豊かに開花し、みずのきを代表する作品を数多く生み出した。生き物に深い愛情を示し、中でも猫に対する愛着は強く、自室で書きためられた彼の日記には、いつも決まって猫のイラストが登場した。スイス・ローザンヌ市立アールブリュット美術館に作品5点がコレクションされている。

岡本由加 Yuka OKAMOTO(1973〜)
小さい頃から絵を描くことに励んでいると周囲に認められていた。1994年、絵画活動が盛んだった『みずのき寮(現・障害者支援施設みずのき)』に入所し、絵画教室に参加。木炭を中心に、アクリル絵具、油彩を用いた重厚で存在感のある力強い絵画を制作した。みずのきの若さホープとして活躍が期待されたが、長年の憧れだった地域での暮らしを実現し、施設を退所したため、現在は制作から遠ざかっている。 

堀田哲明 Tetsuaki HOTTA(1949〜2015)
1968年から『みずのき寮(現・障害者支援施設みずのき)』で暮らす。隣の人を真似て描き始めた「家」が唯一のモチーフとなり、約30年間に書き溜められた「家」は1,000点にのぼる。彼のお気に入りは使い古したクレヨンである。使い古したクレヨンを箱に入れ、その箱から大事そうに摘まみ上げて「家」を描く。温和・几帳面さは教室随一。そして大変なロマンチストで、夜半月を見るためにグランドに出たり、虫の声を聞きに行くこともあった。スイス・ローザンヌ市立アールブリュット美術館に作品6点がコレクションされている。


[参画企業紹介]

株式会社ドゥオモ
京都・亀岡の刺繍工房。刺繍ブランド「京東都」を立ち上げ、東京ソラマチに実店舗展開中。美術館の企画展グッズなども多く手がける。
京都府亀岡市篠町王子唐櫃越 1-191



加藤良株式会社
明治25年、京都市にて袋物工を創業。亀岡市古世町に移転後、和装小物の「縫う技術」を受け継いできた、袋ものを得意とする縫製工場。現在は千代川に本社工場を設ける。
京都府亀岡市 千代川町小林下戸4-2



ベーカリー&カフェ ぱすてる
障害者就労支援施設ワークスおーいが運営するベーカリーカフェ。店内には焼きたてのパンとお菓子の香りが広がる。2001年のオープン以来、地域の人気店として親しまれている。
京都府亀岡市大井町小金岐北浦16